救急外来

急いで小児外科に電話してみるが、既に午後になっていたので、どこも受付時間が終わっている。テツを抱っこしながら、ピリピリした雰囲気の母さんに、タケは「お母さん、大丈夫だよ。てっちゃんの腕が痛くなったのは、お母さんのせいじゃないからね。あのね、僕のせいなんだ。僕がてっちゃんに意地悪ばっかりしてたから、てっちゃんの腕が痛くなっちゃったんだよ」と涙目で訴える。母さんが父さんに叱られて落ち込んでいると思ったんだね。お前は本当に優しい子だねぇ・・・。そんな言葉がかけられるタケにビックリ。親より大人だ・・・。
救急外来のある西医療センターに電話してみると、ちょうど整形外科の先生がいて受け付けてもらえるとのことで、急いで向かう。半分寝かけているものの、ちょっとしたはずみで腕が痛んで起きてしまうテツ、母さんの腕に頭をぐったりともたせかけて、元気なく救急外来に到着。
大人しく診察を待つ
みてくれた若そうな先生は、「はーい、ごめんね、肩はあがるかな〜、あがるね〜・・・うーん、どうやらひじの亜脱臼ですね。ちょっとはめますね〜。」先生が軽く腕をひねると、テツはギャー!と泣いたが、「はい、今ポキって音がしたので入ったと思いますよ。もう終わったからね、大丈夫だよ。はははは。」と先生。診察室の外に出るとほどなく泣き止んだテツだった。
念のため、レントゲンを撮る。ひじを曲げて固定するため腕をもたれると、「また痛いことされるの・・・?」とばかりに泣きそうになったテツだったが、あっという間に終了。そして、外に出た途端・・・「あ!あれおかあさんの病院にもあったねー」と血圧計を、あがらなかったはずの右腕をあげて指差す。20〜30分後に、もう一度診察を受けることになっていたのだが、その時間の長かったこと!さっきとは別人!?と思うくらいはしゃぎまくり、「おかあさん抱っこしない!」と床に転がり・・・。もちろん、その後の診察もまったく問題なし。いやはや、とりあえずよかったよ。

診察の間、タケは父さんと一緒に西神中央の駅前まで行って、ボウリングゲームをしたり、駄菓子屋さんでお菓子を買ったりしながら散歩したそうな。


帰宅後もテツは、すっかり元気になり、腕ももうすっかりなんともないようだった。よかったよかった。安易に手をつなぐのはやめよう・・・。