タケがなぐさめてあげる

朝起きて、さぁ今日は病院にも行きたいし大阪のじぃじばぁばも来るし時間がないぞーと急いで洗濯機を回す…とそこに外を走ってきた父さんが帰宅し、『回しちゃったの〜?』「今日は病院にも行きたいしいそがなきゃ」と言うと、『何言うてんねん、病院行きたいなら早くいかな余計混んで時間かかるに決まってるやんか。今すぐ行って来い!』「でも朝ごはんが…」『ギリギリまで待って帰ってこなかったらタケと二人で喫茶店でも行くから』「じゃあ、お願い」てなわけで慌てて出発。行きつけの内科に行くと、先生が体調を崩して入院していて土曜日は診察していないと言われ、次に思い当たるところに行くと老人デイケアもやっているため10人以上のお年寄りが鈴なりで諦め、3軒目の内科へ。それなのに、先生は妊娠中だと告げると急に弱腰になって「それじゃあ薬はなるべく飲まない方がいいですし、熱もないようなので、今のまま様子を見てがんばりましょう」だって。それがしんどいから来てるのに!と粘るが「高熱が出たりしたらきてください」と。プンプン、一体何のために来たんだか。そこに父さんから「喫茶店に行く時間なくなったから何か朝食買ってきて」とのメールが。この後父さんにタケを運動塾に連れて行ってもらう予定だったので、時間がないと必要以上に焦ってしまい、「もう、二人でも喫茶店に行ってくれるっていうから安心して出てきたのに!!」とつい逆切れ。父さんはタケにパンなど食べさせつつ洗濯物まで干しておいてくれていたのに。おまけに家に帰ってからも時間がないのにタケに野菜を食べさせようとやっきになったりして、父さんと言い合いになり、イライラするやら悔しいやら情けないやらでつい涙が出てしまう。女の涙が大嫌いな父さんは「わけわからん」とすぐに部屋を出て行ったが、その時タケがとてててと母さんに寄ってきて心配そうにのぞきこみ、首にぎゅっと抱きつくと頭をナデナデしながら「だいじょぶ、だいじょうぶ」と言ってきた。びっくりするやら、嬉しいやら、自分が情けないやらだけど、いつの間にかタケに慰められるようになったんだなあと感動。ありがとね。父さんもやつあたりしてすまぬ。
二人が運動塾に行っている間に予想以上に家事ははかどり、ケーキを焼き家計簿をつける余裕まであった。お陰で母さんの気分もすっかり落ち着いて、さっきのタケの姿を思い出してはニンマリ。逆に運動塾から帰ってきた父さんはなんだか疲れ果てていた。タケは相変わらず一人だけ落ち着きなく運動塾の間あちこち動き回り、父さんは本気で心配していた。大丈夫だと思うけどなぁ。