どこでも自分の庭

７時には元気に目覚めたタケ。まだ寝ている父さんや母さんを横に、座って絵本を読んだりする。その時玄関でガチャガチャ、という音が。タケはすばやく笑顔で玄関の方を見て、「おかーえり！」。ガスか水道かのメーター検針の紙が新聞受けに入れられた音なのだけど…ジジがまた帰ってきたと思ったのだろうか？
今日はマーばあちゃんケイばあちゃんの家に行く。１年ぶりくらい。マーばあちゃんケイばあちゃんは、コザのおじいちゃんの妹。でもコザルは小さい頃二人を「おばあちゃん」だと信じて疑っていなくて、学校で「うちにはおばあちゃんが４人いる！！」と主張して友達や先生の頭を悩ませていた。ずっと神戸に住んでいるので、学生時代を神戸で過ごしたジジもコザルもすっかりお世話になりっぱなしなのだ。今日はマーばあの喜寿のお祝いを届けるのが目的。クリスマス・イブというのもあって道路もケーキ屋も混み混みで、タケは行く途中で眠ってしまう。着くとすぐに起き、寝起きでボーとしながらも猫を見て「おーっ」と声をあげていたが、ふと気付くとよく知らない家に居て、よく知らないおばちゃんに覗き込まれていてビックリしたのか、急に泣きそうになって母さんにしがみついてくる。そして母さんに隠れてチラチラとマーばあを見たりして、人見知りっぽいことをしていたが、それも数分の話。チラっと覗いて「ふふふふふー」と笑ったかと思うと、すぐに上機嫌になってソファによじのぼって座ったり、ケイばあにもらった初ヤクルトをすごい勢いで飲み干し、壁にかかった絵や鬼のお面などを指差しながら一生懸命おしゃべりしたり、アクセル全開。マーばあに貸してもらった大きな犬のぬいぐるみも、すっかり気に入って目をいじったり、抱きしめたりして浮気。コウサカJr.が横に転がってるわよ。ケイばあにヨーグルトを食べさせてもらって小躍りしたり、横目でぐるぐる回転したりして、昼食前におやつをたくさん頂いて、昼ごはんはほとんど食べず。まあ楽しそうだからたまにはいいか。大人がご飯を食べている間も、タケは窓のところへ行って外を見たり振り返って手を振ってみたり、帰ってきて「ちゃっちゃ」とお茶を要求したりと、それはもう機嫌よく笑いながら過ごし、「この子はひとつもグズらへんし人見知りもせえへんしやりやすい子やなぁ」と驚かれる。才能だねえ。眠くなっても母さんの膝の間にやってきてコウサカJr.を抱きながらゴロゴロしていたかと思うと、突然ふふふふと笑ってまた起きて遊び出す。最後まですっかり上機嫌で遊び、コートを着るのを嫌がり、着てからも階段を上り下りしたり、おじさん（マーばあのだんな様）の部屋への小さなスロープを行ったり来たりしながらおじさんを覗き込んでは笑ったりしていた。ヤクルトも結局３本も飲んだ。帰りにはタケに木製のトラックやおやつなどたくさんお土産を頂く。元気にバイバイして、帰りの車でも眠る。